The story of Bar Pálinka

ボトル棚の話

ボトル棚の話

バーに行って席につき、最初に目にするもの。 そう、お酒だ。どんなお酒があるのか、どんな配置なのか、ボトル棚(バックバー)を見ればそのバー、マスターの得意分野が分かる。ウイスキーが多いバー、ブランデーが多いバー、リキュールやテキーラ、ラムや薬草酒に特化したバーもあるし、バランス良く一通りのお酒が並んでいるバーもある。 Bar Pálinkaは言うまでも無く『パーリンカ』に特化している。 ボトル棚に並べているお酒はすべからくパーリンカだ。 パーリンカをずらっと並べて、パーリンカ専門のバーをやるんだ…と意気込んでいた松沢にデザイナー宮田から提案されたボトル棚のデザインは想像を遥かに超えるものだった。   うん???テトリスかな?頭の中で『コロブチカ』が流れ始める。     図面が分かり易いおかげで実物を見なくてもイメージができた。 宮「奥行きも演出して、座る席によっては見えない部分もあって、席ごとに目に映る景色が変わるボトル棚にした」 松「なるほど(龍安寺かな?)」   裏に「吾唯知足」とか書いてないかなと思ったけど当然なかった。   直線的で細長いパーリンカのボトルは少しの隙間からでもその姿を認識できる。その特徴を最大限に活かし、パーリンカのボトルだからこそ実現可能なボトル棚というわけだ。パーリンカ専用。   複雑な組み方で固定することで一部浮いているようにも見える不思議な仕様。非現実というより異世界感が増す。転生はしていない。   松「意図も完成形もすごく素敵でイメージできた!で、これって実際に造れるの…?」 もちろん耐久性などはモデリングソフトで検証した。問題はこれを製作してくれる業者探しだった。こんな緻密な箱組み、引き受けてくれるところあるのか…? 宮「知り合いにツテがあって、聞いたらできるって。」 あった。流石に無計画にデザインしているわけではなかった。 ちょっとでもサイズがズレたらあの出窓部分に入らない。当然ではあるが図面通りの製作が必須だった。 その間も施工は進む。 他の部分が完成に近づき、タイルもボトル棚の周り以外は貼り終えている。下地もバッチリだ。あとはここにボトル棚を嵌め込むだけ。     依頼してからなんと10日後。...
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